「農地所有適格法人を作る理由.jp」では、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の新規参入・設立のメリット、資金調達、補助金・助成金の申請、法人化した後の相続・譲渡、節税など、農業ビジネスの仕組みをわかりやすく解説しています。

農地所有適格法人(旧:農業生産法人)設立コンサルティング | 日本中央税理士法人 Tel. 03-3539-3047 担当:青木

6次産業化を実現させる

農作物を加工して、消費者に高く買ってもらう

6次産業化とは、1次産業である農業を、2次産業の製造加工業や3次産業のサービス業と合体させて、農作物の商品としての価値を上げようというものです。

例えば、今までは、自分たちの畑でゴボウを収穫して、そのまま、売るだけであった農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が、それを工場で乾燥させて、パッケージで梱包し、インターネットで直接販売したり、スーパーに卸すことを指します。

農作物の価値を上げて、高く売る

これは、東北地方で実際にあった6次産業化で、現在では、国内だけではなく、海外にも商品を輸出しています。

農作物を加工することで、価値を上げ、かつ第3次産業である販売も自分たちでやることで、価格の決定権も握るのです。
消費者が、価値があると考えてくれる商品が作れれば、農作物の価格は何倍にもなり、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の利益も増やせます。
農作物の収穫量を増やすだけではなく、消費者が欲しい新しい商品を開発することにもつながります。
例えば、トマトは、水分が多いと、美味しいと感じるかもしれません。ただ、それをサンドイッチに使うという目的があると、水分は逆にパンを濡らしていまいます。
そこで、水分が少ないトマトを開発した農地所有適格法人(旧:農業生産法人)があります。
これは直接、消費者(ここでは、サンドイッチを作っている会社)と農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の社長が話をしたことで、初めて気づけました。

あなたも、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が、6次産業化をやった方がよいことは分かっているのかもしれません。
ただ、6次産業化を実現させるためには、工場を建設したり、商品のパッケージをデザインするなど、多額の先行投資が必要となります。
工場は借りてもよいですが、それでも保証金が必要となりますし、商品もある程度の在庫量を用意しておかなければ、注文を受けてから作るわけにはいきません。
また、商品のパッケージも1つでよいわけもなく、注文状況に応じて、その容量、価格、デザインを何度も変えなくてはいけません。
その度に、パッケージに適合した機械設備に改造する必要がありますし、パッケージの原材料も買い替える必要があります。

そのため、最初に一定の資金を用意しておかなければ、6次産業化は不可能です。

あなたが、これから農地所有適格法人(旧:農業生産法人)を設立しようという段階ならば、今は、そこまで考えられないと思うかもしれません。
ただ、農林水産省は、2020年には、この6次産業化を10兆円の規模にする計画を掲げているのです。
もちろん、何もせずに、10兆円の市場規模になるはずがありません。
農林水産省として、農業で使える予算を6次産業化に振り分けることを意味しているのです。
すでに、下記の5つの項目は、行われています。

① 農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が申請すれば、6次産業化の認定事業者になれる
② 6次産業化の認定事業者への補助金と助成金の金額を増やした
③ 6次産業化の認定事業者に出資するファンドを設立した
④ 日本政策金融公庫に、6次産業化の認定事業者のための劣後ローンを作った
⑤ 農地所有適格法人(旧:農業生産法人)と加工会社のマッチングを仲介している

今後も、6次産業化の認定事業者がドンドン増えていくと同時に、助成金、補助金、ファンドへの政府の出資、劣後ローンを拡大させていくのは、確実です。
あなたが、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の事業を拡大させるならば、この予算を使わない手はありません。

ここで私は、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が、無理やりに6次産業化の認定事業者になるべきだと、主張しているわけではありません。
農作物を加工するための工場を作ったり、高額な機械設備を導入すれば、それだけ、銀行からの借金が重くのしかかり、社長は資金繰りに頭を悩ませることになります。
ただ、農作物をそのまま出荷するということも大切ですが、自分で作った農作物の付加価値を上げたり、新しい商品を開発して、消費者を喜ばせることは、すばらしい目標だと思うのです。
最終的には、6次産業化ということも視野に入れていきましょう。

あなたが、「農作物の加工や提携先について、新しいアイデアや助言が欲しい」と思ったら、当社まで、今すぐ、ご連絡ください。
当社は、スピード対応しております。

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事例から学ぼう

鹿米農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の社長は、アメリカの大規模農場を視察に行ったり、オランダの植物工場でバイトとして働いたりと、若い頃から、いろいろなことに興味を持ってきました。
自分の家の農業を継いだときに、アメリカやオランダと同じことはできないけれど、その地域で「何か、特別なことをやりたい」という夢を持っていました。
ところが、父親の個人事業主としての過去の確定申告書を見せてもらったときに、その売上と利益が低いことに、愕然としたのです。
実際に、自分が継いでから2年間、農業で一生懸命、頑張りましたが、それと同じどころか、ちょっと低いぐらいの売上と利益しか出なかったのです。
それ以上に、今までの父親の仕事の大変さを痛感しました。
ただ、1つ感じたことは、今までと同じスタイルで農業をやっていたら、何も変わらないということだったのです。
社長は漠然とですが、その地域で特別な存在になれば、自分の作っている農作物の付加価値が上がり、売上も利益も増えるはずだと感じていたのです。

そこで、社長は、鹿米農地所有適格法人(旧:農業生産法人)を設立して、親戚や知り合いで使っていない休耕地を借りて、社員を雇い、売上と利益を今の3倍にする目標を持ちました。
その後、3年間で、その目標は達成できたのですが、それだけで、「特別」になれたとは思えず、人から紹介してもらい、全国の農地所有適格法人(旧:農業生産法人)を回って、勉強することにしました。
すると、6次産業化と呼ばれる方法で、農作物を加工して、かなり成功している農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の社長に会うことができ、体験談を聞くことができたのです。

鹿米農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の社長は、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の最終目標は6次産業化だと確信すると、それを支援するファンドを探し当て、そこに自分の夢を持ち込みました。
もちろん、すぐにファンドがお金を出すということにはなりませんでした。
夢をもっと具体的な、売れる商品にまで落とし込むのに、1年を費やしました。
それでも何とか、事業計画書が完成し、お金を資本金で調達できるところまで辿り着いたのです。

それを元手にして、日本政策金融公庫からもお金を借りると、工場を作りました。
最初に試作品を作って、スーパーに持って行ったのですが、まったく相手にされませんでした。
何度も、試作品を作り直して、社長としては納得のいく味と価格になったと確信できたのですが、やはり注文を取るところまではいきません。
農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の農作物の収穫量は伸びていましたが、工場の借金の返済がかなり重くのしかかり、社長は眠れない日が続きました。
その頃、大学の友人がインターネットで商品を販売するサイトを運営し始めたという連絡をもらいました。
そこで、友人に頼んで、自分の商品を試験で販売してもらったのです。
最初は、少しずつでしたが、口コミで広がり、リピーターも出現し、一定の売上を確保できるようになりました。
ただ、工場に投資したお金を回収するには、まだまだです。

ある日、TV局が自分の地域の農業の取材に来ることになったのです。
そこで、一緒に、自分たちの工場に案内して、加工している過程や商品をリポーターに食べてもらい、その感想を紹介してもらいました。
すると、そこから1ヶ月間は驚くほど注文が来たのです。
ただ、TV番組なので、1ヶ月もするとみんな忘れてしまいます。
売上は下がり始めましたが、ちょうど、その番組を見た地元のスーパーが、商品を置いてくれると言い出したのです。
それから3年後、鹿米農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の利益は数千万円にもなっていました。

その時点で、社長が父親の農業を継いでから、10年の月日が経っていました。
もし最初に、「何か、特別なことをやりたい」という夢を持たなかったら、この成功はなかったでしょう。
農地所有適格法人(旧:農業生産法人)だけに限ったことではないですが、社長がなりたい、やりたいと夢を持たないと、それを実現することはできないのです。
逆に、その夢を持って諦めなければ、それが実現できるまで、やり続けるのですから
必ず、「夢は現実のもの」となるのです。