「農地所有適格法人を作る理由.jp」では、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の新規参入・設立のメリット、資金調達、補助金・助成金の申請、法人化した後の相続・譲渡、節税など、農業ビジネスの仕組みをわかりやすく解説しています。

農地所有適格法人(旧:農業生産法人)設立コンサルティング | 日本中央税理士法人 Tel. 03-3539-3047 担当:青木

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農地所有適格法人(旧:農業生産法人)で働く社員を研修することで、生産効率を上げて、かつ助成金をもらおう。

投稿日:2016.02.08

農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が、人手が足りずに、社員を採用することがあると思います。
季節的な対応であれば、アルバイトでもよいですが、農地を買って増やしていったり、1年中、農作物を作り続けるので、ずっと人で不足であれば、正社員を採用するはずです。
ただ、農業事業における人材の採用は、ここ最近は、かなり難しくなっています。
一番の理由は、少子高齢化で、日本の人口が減っているからです。
次の理由は、日本の景気が改善しているからでしょう。

上場会社の利益は拡大し、都心部の不動産の価格もリーマンショックで下がったときから比べると、高くなりました。
全国の求人倍率は1.27倍(平成26年12月)にまで上がり、高校卒業及び、大学卒業の新卒の就職率も、80%を超す勢いです。

「農業の仕事はつらいから、人が採用できない」
「農業で働く人は、二代目か、農業系の大学を卒業した専門分野の人だけだ」
というような愚痴を聞くことがあります。

でも、このような話は、農業に限ったことではありません。

私も、農業だけではなく、不動産業、人材派遣業、システム開発業など、多くの会社の顧問を行っていますが、どの業種も人材を募集しても集まらないと言っています。
これからも、採用が難しくなることはあっても、楽になることはないはずです。
特に、農業の知識が豊富にあったり、十分な経験がある人は、みんなが欲しい人材なので、面接することすら難しいと思います。

そこで、今まで農業に従事したことがない人を雇って、教育するという方法が考えらえます。
このとき、教育が不十分だと、農業に対する理解が深まらず、辞めてしまうことにつながります。
政府も、農業で働く人が増えて欲しいと考えていますし、農業に携わる人が離職しないように、社員を研修するための助成金を作っています。

「次世代経営者育成派遣研修支援事業」というものです。

■助成額  年間最大120万円
助成する内訳は、研修として社員を派遣する農業法人が、その代わりに、新しく雇用した社員の人件費と転居に係る費用、住居費、通勤費、研修負担金です。

■助成期間  最短3か月から最長2年間

この雇用の助成金がもらえる金額は、最大で、360万円となります。
個人事業主の農業であっても、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)であっても、申請ができる助成金になります。
これは、次世代の農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の経営者として育成するために、先進的な農業法人や異業種の法人に派遣して研修することが目的です。
そのため、この研修が終わったら、その社員を農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の取締役、または重要な役職(責任者)に登用することが必要となります。

「このとき、個人の家族経営でも、この助成金を申請できますか?」
という質問をよく受けます。
父親が農業の個人事業主で、子供と雇用契約を締結している場合です。
この場合でも、研修に行かせた子供が、父親が設立した農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の取締役になることが確約されているのであれば、申請できます。

さらに、ここに、助成金をもらった個人事業主と農地所有適格法人(旧:農業生産法人)へのアンケート結果があります。
https://www.success-idea.com/dl/grantraining.pdf

このアンケート結果を見ると、分かることがあります。

(1)農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が多い

この助成金を受け取った割合としては、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が7割を占めています。
やはり、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の方が、人の採用はしやすいのかもしれません。
人材の募集や定着してもらうための取組が載っていますが、社会保険の加入、就業規則の整備、有給休暇、賞与などの順番となっています。
雇用される側としては、社会保険の加入には、かなり関心があるのでしょう。
農地所有適格法人(旧:農業生産法人)であれば、社会保険は強制加入となりますので、安心です。

(2)正社員を増やしたい

「農業は季節労働者なので、正社員ではなく、アルバイトが多いのでは?」と勝手に想像してしまいがちです。
でもこのアンケートを見ますと、正社員を増やしたい農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が多いのです。
これは、正社員として雇用することで、本人にも責任感がつき、それが生産効率につながるのだと思います。
また、社員がやる気になるは、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の役員も刺激を受けるはずです。

(3)新卒者が多い

この助成金で研修した社員全体のうち、29%が新卒となっています。
上場企業であれば、もっと新卒の率が高くなりますが、日本の95%を占める中小企業では、70%から100%が新卒ではありません。とすれば、29%は高い方だと感じます。
つまり、今まで農業に従事していない人を正社員で雇って、研修を行うという農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が多いということなのでしょう。
研修内容も、知識や技術を習得するための実践が99%にもなっています。

なお、最後に、この助成金が役に立っていると考えている農地所有適格法人(旧:農業生産法人)は、90%を超えています。
そのため、新しく社員を雇用したら、この助成金には、ぜひ、申請を行いましょう。

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